ゴラン高原で先ず私達が目にしたものは第三次中東戦争の爪跡であった。先ずイスラエルが建造した戦争記念碑を見てから、シリア軍が残していった夥しい塹壕跡に出くわした。
30年近く前の戦争跡が今も生々しく残され、又、コンクリート作りの要塞跡には、多数の銃弾痕が刻まれていた。赤茶色く変色し、スクラップ化した戦車や軍用車の残骸があちこちに見られる。まさにここで激しい戦闘が繰り広げられていた事が判る。
身を翻して西方を見ると、ヘルモン山から流れ下るヨルダン川が遠方に見えたのでカメラに収めた。ヨハナンが同行する旅行は必ずかなりの距離を歩かされるが今回も同様であった。
ゴラン高原にある深い谷底へと下って行った。そこはダヴラ峡谷であった。谷底には水の流れがあり、これはヨルダン川に注ぐゴラン高原からの支流の一つである。
流れに添って上流へ歩いて行くと、美しい滝があり数十メートルもある落差を豊かな水が落下していて見惚れてしまう美しさだ。そして、そこが遊泳の場所で若者達は暫くの時間楽しそうに泳いでいたが、水が土色に濁っていたので、私は見物と決め込んで滝の写真を撮ったりしていた。