タボル山麓から15分ほど北上すると車は細い脇道に進入し、曲がりくねりしながら無舗装の石ころ道を走る。駐車している2台の大型バスの横を更に少し進んだ所で車は停止した。そこで下車した私たちは岩や石だらけの所を歩いて上ってゆくと、何と、そこは断崖絶壁の頂上であった。
平らな岩地であるが、その北と東の端は高さ 500mの絶壁である。私たちはその崖っ淵まで行って下の景色を見た。高所恐怖症の私は、腰を屈め、おどろおどろしながら歩を進めて淵の岩まで行き、四つん這いになり腰を後ろに引きながら下を覗いて見た。
その景観の美しさに恐さも忘れて私は見入ってしまった。、眼下には青々としたガリラヤ湖の北半分が開け、その湖畔のオレンジ、グレープフルーツ、バナナ畑の緑、左側には深い谷、その前方にはガリラヤ高地の緑の山々。まさに絶景だ。
ここはティベリアの北西5km、標高326m、ヒティンの丘(アルベル山)だと後で知った。ガリラヤ湖は海面下約200mなので、この絶壁は500mもあるのだ。