カイザリヤの発掘現場を通過すると十字軍時代の遺跡群の場所があり、そこを見学してから、東方向に歩いて行くとビザンチン時代の街道跡が発掘されている。その街道脇の一角に赤色と白色の首のない像が互いに向かい合って残されてある。白色像の首は折れて失われており、もう一方は首を取り替えられるように造られてある。
ヨハナンの説明によれば、折れている方はゼウス(神)像、他方は皇帝像であるという。皇帝が代わる度ごとに頭部を新皇帝のものに差し替えたという説明に私たちは納得できた。更に東に行くと口ーマ時代の戦車競技場遺蹟があり、映画「ベン・ハー」の有名な戦車競技シーンは、ここで撮影されたというが、私たちはそこ迄は足を向けなかった。
その後、車で北へ5分ほど移動し、ヘロデ大王が建造した導水橋遺蹟を見た。カルメル山から水を9kmも離れたカイザリヤまで水を流す立派なものだ。京都の南禅寺にある導水橋はローマ時代のを模したもので、現在も水が流れている。イスラエルに行かずとも京都で現役の導水橋を見ることが出来るのだ。