先年あすか野教会でハイキングをし京都に行った時、南禅寺を訪れた。境内を歩いて行くと、どこかで見たことがあるような建造物が前方にあった。
「カイザリヤで見た導水橋に似ているな」と私が言うと、妻が「きっとそうよ」と言う。石造りのアーチ状の土台の上を下から見ると鉄道の線路のよう見える。その下をくぐり抜けると、右手に階段があったので上まで上ってみた。すると、それはまさしく水路で、澄んだ水が勢い良く流れていた。私は思わず歓声を上げてしまった。
上部の構造もカイザリヤで見たものと全く同じである。記念に写真を撮ってから下へ降りると、看板があり説明書きが書かれていた。ローマの導水橋をモデルにして建造された事情などが書いてあった。これなら十分飲料水になると思った。
パウロやペトロ、そしてフィリポとその家族たちは、このような水を飲料水としていたのか、と思うと、彼らとの時代の距離が縮まったような気がした。
カイザリヤで私たちは雷と強い霰(あられ)に見舞われ、ずぶ濡れになってキプツに帰った。