キブツへの道(2)

「闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。」(創世記1:2)

 夙川教会には毎月キリスト教書店の方が営業に来られ、何冊かの書籍を置いて行かれた。それらに目を通し、気に入ったものを購入していた。それらの中に、夙川の近くの大学の教授が執筆されたイスラエル滞在記があり、捨い読みをさせてもらった。

 その文章の中に「イスラエルに行ってもバスツアーで史蹟を巡回するだけでは充分とは言えない。そこに住み、主イエスが住まれた地に住み、歩まれた道を歩いてみてこそ福音書の主とその弟子たちの心情により近づける」というようなことが書かれてあり、この一文が私の心の奥深くに刻まれた。

 イスラエル行きが決まりかけた時、キブツワーキングツアーの期間が約1ヶ月であったが、私一人そこに残って一年間滞在しようとしたこと、又、イスラエルに行ってから、エルサレムでヒンノムの谷を歩き、神殿近くからシロアムの池へ、ライオン門からオリーブ山を越えてベタニヤまで歩いたのもこの本にどれほど影響を受けたか、わかって頂けると思う。この教授はナザレからガリラヤ湖まで歩いた時の感動を書いておられた。