エルサレムへの旅(1)

 いよいよ明日からは二泊の予定でエルサレムに出かける。深夜だが、そのための荷造りなどをして備えた。その後に帰国する他の三人は、帰国後のイースター礼拝の聖餐式用の種なしパン(マッツァ)を分け合って持ち帰る備えなどもしていた。

 3/19(土) 安息日、明け方から雨が降り始めた。7:40 アラブ人運転手フェミ氏のタクシー(9人乗りのベンツ) に私たち四人とフェミの奥さんも同乗してキブツを出発する。南へ少し走るともうそこはヨルダン川西岸地域でパレスチナ人地区である。道幅は広く一応舗装されているが両端は整備されておらず、1950年代の日本の道を思い出す。

 早朝のためか人の姿は見えない。車はすぐに或る家の前に停車し私以外の三人は下車してその家に入っていった。土産としてアラビックコーヒーの豆を買うのだ。S師はアラビックコーヒーの出し方をフェミから聞いてメモを取っていた。 1.5kgで15シェケル(約600円)、安い買い物だ。車は更に南下しトゥルカルムの町中を走り抜ける。雨のせいか町は薄暗く人影もまばらで、道幅はとても狭い。