エルサレムへの旅(2)

 トゥルカルムはシャロン平野では、パレスチナアラブ最大の町で、ここからもイスラエルへのテロリストが多数出ていて、日本のテレビでも時々この町が放映されている。運転手はアラブ人のフィベだがタクシーはイスラエルの会社のものなので、ナンバープレートの色でそれがわかる。

 フィベはサマリヤ地方を通り抜けて車を走らせるのだが、アラブ人の町や村の無い道を選んで走るのだ。そうしないと石を投げつけられたり、何が起こるかわからないからである。幸いなことにこの日の朝は雨でトゥルカルムの町中に人影があまり見られなかったので私たちは無事に通過できた。

 タクシーは南東方向に進み、サマリヤの山の中の道を走る。はじめて走る道なので(フィベは知り尽くしているが)私にはどの辺りを走っているのかさっぱり判らない。高い丘の頂きで小休止をし、山並みを眺める。そこで記念写真を撮ってもらった。

 巨大な建物跡の一部らしい石が残されている。車は峠を下り始めるが、南に進むごとに山肌が茶色っぽくなり、緑が減ってくる。そして平地にたどり着くと、そこはエリコの旧約時代の遺跡(テル)であった。そしてS師が入場料を支払って下さり、そのテルの上にのぼって行った。