キブツ到着(4)

 先に食堂の北側の壁は全面が窓になっていることを書いたが、その幅は20mもあるだろうか、その高さは天井から床まで4mはある。しかし、その窓の一部、食堂の一番奥の天井近くのガラスが割れている(あえて割ってある?)。

  何とそこからすずめが出入りしているのである。天井の一部が破れていて、天井裏に巣を作っているのであろう。何羽ものすずめたちが自由に出入りしているのである。キブツでは動物や生き物がとても大事にされているのだ。日本では先ず見かけることはないこの光景に私は見入ってしまった。

 朝食を終えると私たちは荷物を持って食堂を出た。食堂横の芝生の敷き詰められた広い庭を通ってキブツ住民の宅地の中へと私たちは歩いて行った。

 多くの木々が植えられ、花壇もきれいに手入れされていて、いろいろな花が咲いている。ちょうどシクラメンが満開でピンクのじゅうたんのように見え他にアイリス、ヒヤシンス、からし菜など、又、周囲の野には赤いポピー、白や黄色の草花が一面広がり咲いている。

 私たちが訪ねたのは老婦人の家であった。彼女の家の周囲は屋根ほどの高さの木々に囲まれ、玄関口まで緑がいっぱいである。彼女は私たちを玄関口の部屋に迎え入れてくれた。