ツアーの人々との団体生活(33)

 ヘレナさん宅の安息日を迎える儀式は、とても簡単なものですぐに終わった。玄関を入った所がダイニングルームで、そこに長細いテーブルが置かれている。テーブルには白いテーブルクロスが掛けられ、上座(玄関側)に燭台が2つ、パンが2ケ、ワインボトルとグラスが置かれてある。

 テーブルにはヘレナさんと二人の娘さんが着席して私たちは下座に座った。家長であるアミーカムさんは上座に立っていて、ろうそくに点灯し、極く短い祈りをささげ、その後、ワインをグラスに注いで家族四人がそれを飲んで終了である。

 時間にして5分も要らない。厳粛な雰囲気は無く、祈りもヘブライ語なので理解できず、もうこれで終わりなの?という感じであった。

 S師も何の説明もなさらなかったので、その儀式が何を意味するのかわからないままであった。通常はこの後、家族で夕食をするのだが、ここはキブツなので、共同食堂で安息日の夕食をするのである。

 私が帰国後「ユダヤの祭りと通過儀礼」(吉見崇一著)を入手し、それによってこの儀式の意味を理解することが出来たので、次回に紹介させて頂く。