ツアーの人々との団体生活(75)

 先にも書いたように、このキブツツアーに参加した私の目的の第一は療養、そして第二はヘブライ語を学ぶということである。神学校(四条畷)で旧約概論や釈義を担当するようになり、ヘプライ語の基礎知識を学ぶことは当面の課題であった。だから80才になられるドフ氏がご好意でヘブライ語会話クラスを指導下さることはこの上なく有り難いことであった。

 早朝からの一日旅行から帰ってからすぐのこの教室は肉体的には厳しかったが、眠気と闘いながら2時間近いレッスンを受けた。この夜は動詞(現在形)だった。

 ヘプライ語では、男性、女性、単数、複数で動詞が変化するのだ。「神は人を男と女とに区別して造られた」と創世記1章にあるように動詞や数詞もはっきり区別されている。「私はヘプライ語を学んでいる」と言うのは、

(男)アニ ロメード イプリートゥ
(女) アニ ロメデトゥ イプリートゥ
(男)アナフヌ ロムデイム イブリートウ
(女)アナフヌ ロムドットゥ イプリートゥ

といった具合である(複数は「私たち」)。

 「あなた」「彼」「後女」も性別と単複によって同じように変化する。キプツの住民である女性に男性形で尋ねて嫌な顔をされたことを今も恥ずかしく思い出す。「男性と女性は同じではない」これは聖書のメッセージであるとへブライ語で教えられた。