翌朝はアボカドの収穫作業、といっても落果したものを捨い集めるだけの簡単なもの。この日一緒に働いた人は昨年(1992年)11月にスイスから弟さんとヴォランティアで来ている20才の女性。名前はアントワネット(通称トニー)、4月迄の6ヶ月間滞在後帰国し、大学で数学などを学ぶ予定だという。
ブラジルやメキシコも旅して来たのでもう財布が底をついたそうだ。彼女は東京、名古屋、京都などの多くの日本人と文通しており、18才の時から煙草を吸いはじめたとも言った。彼女は私に一つの質問をした。「バナナ畑とアボカド畑とどちらの仕事が好きか?」と。私は「アボカド」と答えた。バナナ畑と比べると作業が楽だから。彼女は「バナナ」と言う。理由を尋ねると「私はヨハナンが好きだから」と言う。「私もヨハナンは好きだ」と答えた。
彼女が楽なアボカドより重労働のバナナの方が良いと言うのは、優れた人格者であるヨハナンとの交わりが嬉しいのだという。ここでも私は大切な事を学んだ。主イエス様のもとで仕事が出来ることに優る喜び、光栄はない、と。どんなにきつい働きでも、主と共にある喜びは最高だ。トニーのような若者を引きつけられる魅力ある教会形成が出来れば素晴らしいのにと思った。