ツアーの人々との団体生活(77)

 この日のアボカド畑の作業は午前中だけで終え、昼食後から午後三時迄、隣の敷地にあるギヴァット・ハビーバーという学校を訪ねた。リーダーのS師と宮本姉と、私の三人だけが参加した。

 この学校はキブツマアニットが所属する組合が運営している職業訓練(専門)学校でユダヤ人とアラブ人が共学している。この学校の目的とするところは、ユダヤ人とアラブ人の共存で様々な技術者の教育・養成を行っていて、「私たちは平和を言う口を持っている」という標語を掲げている。

 ここの活動を紹介する映画を見せてもらったが、説明が英語なのですぐに眠気がきて、睡魔との闘いで疲れ果ててしまった。又、展示されている古い写真によってイスラエルに帰還し、キブツを結成するという運動が東欧のユダヤ人青少年たちによって進められたことがよくわかった。

 戦前にチェコから帰還し、今は老帰人となっているハバ(エヴァ)さんも、その中の一人で現在この学校で職員として働いておられる。日本では、ユダヤ人とアラブ人の対立ばかりが報道されているが友好を実践している人々の方がはるかに多いことを知って嬉しい驚きを覚えた。