エルサレムへの旅(5)

 死海西 の道路は舗装されていて快適そのものである。しかも道が起伏に富んでいて低い所では死海海面に近く高い所では数百メートルにもなり、そこから見下ろす死海の光景も美しい。

 私たちの車は死海北端から南へ40kmほど下ったエンゲディに着いた。この地はサウル王に追跡されたダヴィデが逃げ回った地の一つとしてよく知られている(サムエル上24章)。

 私たちはその国立公園には行かず、その近くにある死海の海水浴場に車を止めた。そこにビニールシートを敷いて、昼食をとる。キブツから持参したパンと水と、日本からの缶詰めなどを食べた。その後、水着に着替えて海水浴を楽しんだが、私は平服のまま水辺で石拾いをした。

 エンゲディから私たちは南へ約20km車で走ってマサダに向かった。マサダはアラム語で要塞という意味で、やはりダヴィデはここへも来て身を隠したという(サムエル23:14)。ここは周囲を絶壁で囲まれた高さ400mの山で天然の要塞である。時間の関係で下から眺めるだけで上には登らなかった。周囲は全く荒涼とした世界だが、ロープウエイで頂上迄行けるようになっている。ダヴィデの時代はこの辺りはどんなであっただろうか。