ロンドン・ヒースロー空港での乗り継ぎの長い時を経て、イスラエル行きの搭乗口に入って行った。ご存じのようにイスラエルはパレスチナアラブ人との紛争を抱えているために飛行機による出入国のチェックは非常に厳しい。
私たちが日本を出発した日の朝刊で米国籍のユダヤ人がイスラエルのヘブロン (アブラハム、イサク、ヤコブ、サラの墓)の礼拝所で銃を乱射したために多数のイスラム教徒が死傷したことが報じられていたので、ツアーリーダーのS師はとても心配されていた。このために日本ではイスラエル行きを自粛するようにとの政府からの情報が出されたと聞いている。
そのために搭乗前のチェックはとても厳しく、バッグの中身も全て係員に見せなければならなかった。更に金属チェックで、私が通るとブザーが鳴るので、身体チェックも一度ではパスせず、結局ブザーの鳴る原因がわからないまま、ようやく搭乗を許可された。
イスラエル行きの飛行機は、東京からロンドンまでのものに比べるとずっと小型で、機内は狭く感じられ、天井も低かった。周囲を見回してみると、黒服に黒帽子の明らかにユダヤ教正統派と思われる人々が多数おられたので、いよいよイスラエルに行くのだ、という実感が湧いてきた。