シリア国境の非武装地帯を金網越しに眺めてから、アビダル山南側にある公園で昼食を楽しんだ。ここには、イスラエル軍によって破壊されたシリア軍の戦車や砲台が置かれていたので戦車の上によじ登って中を覗いてみたりしていた。ここにもシリア軍の築いた要塞や塹壕跡が多数残されていて、激しい戦場であった事がわかる。
中東戦争やパレスチナ紛争に関しては様々な立場からの見解があるが、その根底にある問題については、余程注意深く検証してからでないと安易な見解は差し控えた方が良いと思う。日本での報道は根底にある問題に目を閉ざし表面的な浅い議論や無責任な発言が余りにも多いように思う。
私達の車はそこから暫く国境の金網の柵に添って南へと走った。柵のすぐ向う側は深い谷になっている。その向うの台地の枯草の中に野生の鹿の親子が数頭づつゆっくり歩いているのが見える。この辺りの道は舗装されていないので、酷い揺れ方だ。しかも酷暑の中をとろとろ走るので忍耐の限界を超える程の心持ちだ。金柵の反対側はとうもろこし畑や放牧地になっている。