M姉は20歳台後半で、ご主人と二人で中部地方在住の方である。このキブツツアーには昨年に続いての参加で、昨年以前にも何度か参加している常連だ。しかし体はそれほど丈夫ではないらしく、キブツでの作業も時々休まれていた。今籍のある教会には事情があって出席せず、別の教会に通っていて精神的にもナイーブな方らしい。
その彼女がS師に内密で話を聞いて欲しいと言われるので物見の塔で会うことにした。彼女が話したのはツアーリーダーであるそのS師のことであった。朝食の時、私の皿のチョコレートを彼女がスプーンで少し取って味見をしたことを厳しく咎められたのだという。
「既婚者はどんなことがあっても異性の体や物に触れることは良くない。私は家内以外には絶対触れない。たとえ目の前に溺れている女性がいても私は手を出して助けることもしない」というのである。昨年来た時にも彼女の上着が他の男性の上着に重ねて置いてあっただけで厳しく注意されたとも言った。
彼女はこれらについて私の意見を求められたのだ。(そして私自身もS師から非難の対象になっていたのだ)。