キブツへの道(12)

 イスラエルに向けて出発するその日までに、転居準備も含めて全てのことが整えられ、順調であったのは今思い返してみても実に不思議なことで、主のお支えがあったことを強く覚える。

 背後で多くの方々の祈りがささげられていたと思い感謝に堪えない。そして残される家族のこと、引っ越しのことも一切主に委ねて、不思議な平安の内に家を出た。夙川教会の山口兄が車を出して下さり家族とともに伊丹空港に向かったが、到着してみると西村師夫妻、押方師、玉造教会の徳山姉が見送りに来て下さっていた。

 そこで、このツアーのリーダーであるS師と、他の参加者と合流し羽田空港に向けて出発。家族と別かれる時、長女がひどく精神的に落ち込んでいるのが気にかかった(当時、小学一年生)。

 羽田に着くとすぐに成田に向けて車で移動し、ホテルにチェックインしたのが夕方7時であった。そこで一泊し、翌朝、ホテルに木村兄(夙川教会員で東京在住)が訪ねて下さり、旅の無事を主に祈って下さった。

 その後成田空港に向かい、午後2時にロンドン・ヒースロー空港に向けてブリティッシュ・エアーラインで飛び発った。

 このように家族や多くの兄姉、同労者の祈りと励ましに包まれて送り出された 私は生まれて初めての海外旅行、未知の体験の中に身を投じることになったのである。