エルサレムへの旅(33)

 鶏鳴教会はシオン山の頂から東へ 200m 程下った傾斜地に建てられている。曲がった道を下っていくと少しばかり広い駐車場があるが、車は一台も駐車していない。そこから教会堂の方へ行くところに大きな鉄柵があり、それが閉じられていたので、その先へは進めなかった。日曜日は休館日であったのだ。鶏鳴教会は大祭司カイアファ邸跡と推定されている場所で、主イエスがここでユダヤ人による裁判を受けたのだ。

 弟子のペテロが三度「私はイエスを知らない」と否んだ時に鶏が鳴いたという福音書の証言からこの名がつけられた(マタイ 26:57-75)。仕方なく私達は坂を上ってシオン門まで戻り再び徒歩でダマスコ門まで行き、そこからホテルへ行って荷物を持ち出した。

 そしてダマスコ門前のタクシー乗場から乗車して新市街に向かいキングスホテルにチェックインした。ここはエルサレムの北部で近代的な町並みでホテルも高級である。

 部屋で少し休憩をとった後、夕食のために市街に出かけた。その光景は大阪の中心部と殆ど変わらない。道路は歩道も車道も大阪の御堂筋並みの広さがあり建物も高層ビルである。私達は軽食店でイタリアンを食べた。私はスパゲティナポリタン、野菜スープ、いちごジュースを注文して約1500円であった。スパゲティはセモリナ粉ではなく安物のうどんのように腰のないものであった。