キブツへの道(16)

 BA機は2月26日(土)午後5時にロンドン・ヒースロー空港に着した。東京とロンドンとの時差は9時間あり、搭乗時間は約12時間であった。ここでイスラエルのベングリオン空港行きに乗り換えである。出発時間は午後10時40分、待ち時間は約5時間半ある。

 東京からの到着ゲイトとイスラエル行きの出発ゲイトの建物が別棟なので、先ず空港内のバスで移動する。待ち時間は何もすることがない。土産物店を歩いてみるが30分も見ればもう充分である。

 あとは待機室のベンチで休むだけである。他の参加者は皆ベンチで仮眠をしてしまい、私一人眠ることが出来ず、薄暗いそのホールでボーッと待っていた。こういう時間は何か良い読み物をバッグに入れておくことが大事だと思った。読書すると眠くなるであろうから・・・。

 近くを見回してみると30才代の日本人男性が腰掛けていた。彼の所に行って声を掛けてみた「どちらまで?」彼は「イスラエルです」と言う。「観光ですか」と尋ねると「仕事です。花の買付です。日本には無い花で日本人が好みそうな花を捜しに行くところです」と答えてくれた。

 ガイドブックには「イスラエルは日本の四国ほどの面積だが、特殊な地形と気候のため植物の種類は2250種もある。ヨーロッパで最も多いイギリスで1750種、デンマークの1600種を超える。日本の園芸業者の多くはイスラエルに買付に行く」と書かれている。今回のツアーを通してはじめて知ったことの一つである。