私は200ドル分の両替を申し出て、約600シェケルを受け取った。当時のレートでは1シェケル40円弱であった。
両替窓口から通路を通って空港の外に出るとバスのロータリーやタクシー乗り場があり、前方の道路を車が行き来している。所々に棕櫚のような街路樹があり、雨に濡れて生き生きとしている。空気はひんやりと湿っていて気持が良い。
タクシー乗り場や、バス、自動車などは日本とはかなり様子が違っている。ツアーリーダーは、タクシードライバーらしき男性としばらく交渉をしている。そしてようやく私たちはタクシーに荷物を積み込んで乗車した。時間はもう朝7時を過ぎていた。
イスラエルのタクシーはドイツ製ベンツの9人乗りのものが多く、私たちの乗ったのもそれであった。ツアーリーダーによると、イスラエルでタクシーを利用する時は、事前に必ず料金の交渉をしておかなければ法外な料金を請求されることがあるという。法律で料金は規定されているが、それを守らないドライバーが多いのだという。
車は北に向かってシャロン平野の真中を走って行く。時おり雨がザーッと降ってくるが、空は明かるい。