ゼデキヤの洞窟は 1850年に発見された面積900㎡、奥行き 225mもある大きな人工の穴である。ここからエルサレム神殿の石材が切り出されていたのだ。つまり石切場の跡である。
これと同様のもので更に巨大なものがユダの低地(シェフェラー)のテル・マレシヤ(ベイト・ギブリン)にもあった。そこの天井の高さは数十メートルもあったが、ここの高さは 10mもなく圧迫感がある。
テル・マレシャでは鳩の養殖施設もあった事は以前にも書いた。ユダ王国最後の王ゼデキヤはバビロン軍の包囲から逃れてエリコに向う際、この洞窟を通ったという言い伝えからゼデキヤの洞窟と呼ばれている(列王記下 25:1-5)。
そこを通り過ぎて、私たちはヘロデ門の向かい側にあるロックフェラー博物館に行った。1930年~38年にかけてアメリカの大富豪ロックフェラーの資金援助で建設された考古学博物館で八角形の塔を有する素晴らしい建物だ。
当初はパレスチナ考古学博物館という名であった。来場者は私たちだけだ。ガイドがいなく案内プレートは英語なので展示物の詳細は分からなかったが、年代は理解できた。
ローマ時代のコイン(デナリオン銀貨)には皇帝の横顔の肖像が刻印され、様々な皇帝のものが展示されていた(マタイ 22:19-21)。中庭の回廊には多数の古い石棺が並べられてあった。