イスラエルの塔は広い城壁の横のハコテイ通りの北の突き当たり、歩いて約 70mの所にあった。その入口は美しく整備され、案内プレートも提示されていたが、一般旅行者には目につきにくいものであった。
入口を入り、左にある狭く暗い階段を下りてゆくと、濃いオレンジ色の光に照らされた石の城壁のような建造物がある。説明書によると、これは第一(ソロモンの)神殿時代の終わりの頃に建てられた要塞で、BC586年に侵攻して来たバビロン軍によって破壊されたが、最近発掘され、塔の入口とその地下と思われる部分が残されている事が判明した。
その深さは地下10m以上あり、現在その一部が補修されて公開されているのである。ここで目にする一つ一つの積み重ねられた石は、預言者エレミヤも目にしたであろうところのものなのだ。
私たちはここで 2600年前に起ったバビロンによるエルサレム滅亡の事実と直面することが出来たのだ。ヒゼキヤ王の広い壁はその100年前の建造物であった。
この塔跡からはバビロン軍との戦闘で使用されたと考えられる矢尻も見つかっているという。これらを見学してからカルド通りの店で昼食(搾りたてのオレンジジュースがとても美味しかったその後、私たちはダマスコ門から城外に出て城壁沿いに東へ向かい、ヘロデ門まで歩いた。その途中、城壁の下に掘られた大きな洞窟を道路から眺めた。中は暗いが天井には電灯が灯いているのが見える。ここはゼデキヤの洞窟と呼ばれている。