テルアヴィブにあるユダヤ会堂ダニエルの家の2階に招き入れられた私たちは、大きなホールの真ん中に置かれたパイプ椅子に腰を下ろした。その教会のラビ、メイア・アザリ氏と役員の中年の男性と私たち5人が輪になって歓談した。私たちをここに連れてきたアミーカムとヘレナたちは、これには加わらず、一階で交わっていた。
会話は英語でなされ、S師が私たちに日本語で説明して下さった。それによると、この教会はユダヤ教の改革派に属しているとのこと。「トーラー(律法)は厳格に守ることはしない。その理由は世界中の異邦人にユダヤ教を布教するにはその方が良い、タナフ(ヘブライ語聖書=旧約聖書)自体、現代人には信じ難い書物なのだから」と宣うた。
私はそれを聞いた時、唖然としてしまった。「何だ、この人たちは元々聖書を信じていないんだ」そう思うと少々がっかりした気分になった。
ユダヤ教にはトーラーを厳格に遵守する超正統派と正統派というグループもある。それらの会堂では女性が壇上にあがることもなければ会衆席も男女は厳しく分けられているという。