ツアーの人々との団体生活(41)

 会堂を出た私たちは、道路向かいのヤルコン川畔の公園のベンチで昼食をとった。昼食はヘレナが準備下さっていた。ヤルコン川はテルアビブの北部を東から西へ、サマリヤの山麓から、シャロン平野を通って地中海へと流れている。

 テルアビブ辺りでは川幅は数十メートルもあり、3月の水量は豊かで流れも速い。食べながら周囲を眺めてみると、あちこちで竿を垂れて釣りを楽しんでいる。子供たちはボール遊びをしている。今日は安息日である。イスラエルでは商店は閉まり、バスも電車も動かない、と聞いていた。ユダヤ教では釣りをすることも車を運転することも安息日の規定違反のはずである。

 安息日には火を焚いてはいけないが、車もエンジンを点火するので違反になる。しかし、私たちはヘレナの車でマアニットからテルアビブまで50kmも走ってきたのである。ユダヤ教の改革派は、これも容認しているらしい。

テルアビブでは安息日でも自動車が走っているし、店も開いている。イスラエルでは宗教的な人よりも世俗的な(宗教を信じない)ユダヤ人の方がはるかに多いのだがテルアビブではそれが顕著である。