ツアーの人々との団体生活(49)

 私たちは近くのバス停から、午後3時すぎのバスでハイファに向けて出発した。ハイファの町に住んでいるオフラさんの家を訪問するためである。

 オフラさんは昨年までキブツの住民で、小学校教師をしておられたが、何らかの事情でキブツを離脱されたのだという。日本人ツアーの人々が毎年キブツ内の小学校を訪ねて子供たちとの交流をしていたので、教師のオフラさんとも親しくなっていて、今回の訪問となったのだ。

 私は今回が初参加なので面識はない。ハデラのバスセンターでハイファ行きのバスに乗り替えて北に向かう。左側には時々地中海が見え、右側にはシャロン平野のオレンジ、グレープフルーツ、バナナなどの果樹園が広がっている。終点のハイファセントラルバスステーションで下車したが、時間に余裕があるのでタクシーで山上の地下鉄駅口まで行った。

 そこにはカトリックのカルメル修道会の本部建物と礼拝堂があった。そこはカルメル山の北西端に位置し、ハイファの町と地中海をパノラマのように一望できる絶景の場所である。私たちは先ず礼拝堂を見学した。入場は自由で、係員と見られる人物も全く見あたらない。

 礼拝堂の最も前方まで進んでゆくと、聖壇の後ろに岩の洞窟があった。穴は高さ1m、幅が4m、奥行きが3mほどある。預言者エリヤ(列王記上 18:20、21)の洞窟だという。