夙川の教会の家を出てから48時間を要して(成田での一泊を含めて)ようやくイスラエルの地に到着した。飛行機の出入口からタラップを降りて空港の地面の上に立った。
ベングリオン空港は未だ近代的な空港施設が整っておらず、飛行機から降りると、入国手続きのカウンターまで地面を歩いて行くのである。ようやく昨年(2005年)立派な搭乗口と飛行機出入口までの通路を伴う施設が完成したということを雑誌の記事で知った。
2月27日の午前6時前のベングリオン空港は未だ日の出前で、空はすでに白んでいたが、黒い雲の塊が低く垂れ込みながら西から東へと走るような速さで流れている。雨は落ちていなかったが地面は濡れ、空気はひんやりして湿っていた。
4月までは雨期であるので直前まで雨がこぼれていたのであろう。飛行機での長時間の旅を終え、ほっとして、飛行機のそばで立ち止まって周囲を見回し、空を見上げると、ぐっと内からこみ上げるものがあり、思わず涙ぐんでしまった。