独りヴォランティア(9)

 過越しの祭りについては「この日は、あなた達にとって記念すべき日となる。あなた達は、この日を主の祭りとして祝い、代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。」(出エジプト記 12:14)。

 「第一の月の14日の夕暮れが主の過越しである。同じ月の15日は主の除酵祭である。あなた達は七日間酵母を入れないパンを食べる。」(レビ記 22:5、6)。

 「アビブの月を守り、あなたの神、主の過越祭を祝いなさい。七日間国中どこにも酵母があってはならない。」(申命記16:1、4)」と律法でイスラエルの民に命じられている。多くのユダヤ人は今なおこれを忠実に守っているのである。キリストの最後の晩餐も過越しの食事であった事を福音書は伝えている(マルコ14:12・26)。式が始まるとハガダーが朗読されていく。

 聖書の出エジプト記の物語に基いて、大人も子供も男も女も区別なく、一人づつ順々に読んでゆく。そして適当な箇所で合唱や三重唱や独唱が入れられ、一ヶ所ではダンスも入った。又、ある箇所では大人も子供もワインで乾杯をする。四度目の乾杯が終わると食事を始めるのである(それまでに食べ始めてしまっている人もいた)。

 食事の時が来ると魚(鱒)、肉(牛とチキン)、団子入りスープが出された。野菜はサラダ菜とピーマンにドレッシングしたものだ。ハガダーはバッハのオラトリオ(受難曲やクリスマスなど)とよく似た構成だと思った。