独りヴォランティア(27)

 ツファットの町は新約聖書時代、山頂に火を灯し、新年と祭日の始まりを全イスラエルに告知したという記録が残されている。「山の上にある町は隠れることができない」と主イエスが言われたのはこの町のことと考えられている。(マタイ 5:14)

 現在の人口は約1万7千人。高地の避暑地として夏には観光客が多く、この日も平日だが観光客らしい人を多く見かけた。又、ユダヤ教の神秘思想(カバラ)発祥の地としても知られている。

 芸術家たちのアトリエの店は百件以上もあり、絵画では神殿、正統派ユダヤ教徒、楽器を奏でる人、ヘブライ語(トーラー・律法)文字で描いた絵や絵本など様々なユダヤ教に関連ある題材のものが多い。彫刻やアクセサリーなど芸術的なものから安っぽいものまで色々あるが値段は安くない。

 一筋上の通りに行くと、そこは普通の商店街になっていて、その通りにある店で軽い昼食を摂ってから更にウィンドショッピングをし、午後1時半に車に戻った。乗車するとヘレナが「どこへ行きたいか」と尋ねてくれたので即座に「ナザレへ」と答えた。車は来た道に戻らず反対側の西に向かった。

 5km 程行くと直ぐ前に標高1208mのメロン山が迫って来る。そこから南下すると右手にヒレル山(1071m)が見え、その麓を走ってゆく。緑に囲まれた美しい道だ。更に40km 程南下するとカナの町の横を通って更に南に下るとナザレの町だ。