独りヴォランティア(40)

 私の部屋の壁には多くの落書が残されている。先住者の手によるものであるが全て英語である。フレッドへの暴行と放火でキブツから退去処分を受けた英国人ヴォランティア三人組も書いている。自分達を退去させたアロンと南アフリカ人達への不満と中傷である。

 夕食後二人のヴォランティアが私の部屋を訪ねて来て暫く話してから帰って行った。彼らはその落書きを真剣な目でじっくり読んでいた。二人の内、一人は南アフリカ人であった。彼らは私に質問してきた。「何故こんなに長く家族から離れてここに居るのか」と言う。私は牧師であること、神学校で(旧約聖書も)教えていること、それ故にヘブライ語を学んでいると話した。彼らは納得して出て行った。英国人と南アフリカ人との確執があった結果、今私はこの部屋で平穏に生活することが出来ている。全ての背後に主の御手の導きを覚えさせられる。

 5月3日(水)柿の若木畑の除草と施肥作業「良い果実を得るためには良い肥料を充分供給してあげること、除草、水と太陽の光。どんな良い苗木を植えても手入れが悪ければ甘い実は得られない」とヨハナンは言う。人間も同じだ。神が与えて下さる最良のもので充分満たされてこそ、甘き御霊の実を結ぶ者とされる。教役者と呼ばれる者が先ずこの祝福にあずかることをなくして、主の羊たちを養うことはできない(テモテⅡ 3:16、17、コリントI 3:5-9)。農作業から学ぶことは多い。