独りヴォランティア(45)

 5/13(金)昨日から今日にかけて西風になり涼しくなった。今回の東風はわずか一日か半日程度でしかなかったが野はより黄色っぽくなり、るりたまあざみは完全に枯れてしまい、こげ茶色になった。芝生は一日中スプリンクラーで注水し、水の流れが出来るほどだが黄色くなってきている。しかし別種のあざみは、されいな黄色い花を咲かせている。イスラエルの気候は生物にとっては厳しい。

 キブツのユダヤ人の大半は無神論者だ。彼らは欧州で耐え難い苦難を受けやっと戻って来たイスラエルの地もひどい荒地で、岩や石、荊、さそり、毒蛇、野獣、沼地と風士病 (マラリヤなど)でその開墾は困難を極めた。想像を絶する重労働と自然との闘いを経てようやく美しい農地や住宅地にすると今度はその地を奪取しようと攻撃して来るアラブ人の略奪隊との戦いがあった。「現在のようにしたのは私だけの努力によるものだ。神は何もしてくれなかった。この国を造り上げたのは神ではなく私たちである」という強い主張をする。しかし、それでもその背後に神の導きがあったと私は信じている。

 これは私自身への自戒でもある。昔労をして成し遂げたことは、自分の努力の結果であって、神が入り込む余地などなかったと思ってしまう。そして自分の業績を誇示したくなるのである。そして神を自分の後に追いやるのである。この日の午後は作業が休みなので、キブツ内を散策してまわった。