独りヴォランティア(52)

 ジクロン・ヤアコブはカルメル山脈南西端麓の小高い斜面にある村落である。カイザリアの北約25km、地中海岸の東 10km 足らずの所にあり、地面の大半は岩である。この場所に入植したユダヤ人達は大変な労苦を強いられたと聞く。この地を購入した際、アラブ人地主に見せられた土地はこことは全く別の耕作に適した一等地であった。その為にこの土地の為に支払った代金は当時のニューョークの地価に相当する非常に高額なものであった。

 しかし、地主が入植者達を連れて来た所が現在の場所であったのだ。カルメル山の斜面の岩ばかりの土地で緑の全く無い不毛の地である。けれどもユダヤ人達は想像を絶する努力の末、緑豊かな村に作り上げ、イスラエル有数のぶとう畑とワイン製造工場を建て上げた。この工場のワインはカルメルワインの銘柄で知られている。

 先ず、私達は簡単な工場見学をしてから、この村と工場の設立の経緯を説明するスライド映像を見せてもらった。ビデオによる動画ではなく、スライド写真を巧みに組み合わせ編集した見事なもので、日本では見た事のない手法のものである。

 その後でワインの試飲をさせてもらった。赤、白、ロゼ、スパークルの四種類を試飲したが、とても甘口で特にロゼとスパークルは香りも抜群であった。スパークル1本と小瓶の詰め合わせセットを 40 シェケルで購入した。スパークルー本(720ml)で 8 シェケル(280円)だった。

 次に私達はロスチャイルド記念公園を見物した。この公園の中に奥深い洞窟があり、その最奥にロスチャイルドと彼の妻の墓があり、その洞窟内も見学する事ができた。