ロスチャイルド家の三兄弟は、夫々ドイツとイギリスとフランスに銀行を構え、ヨーロッパの金融界に多大な影響を及ぼしていた。シオニズムに協力して支援し続けたのは、フランスのエドモンド・ロスチャイルドであった。
ルーマニアから入植して来た人々にエドモンドが支援してこの地にぶどう園が出来、現在は人口約5,000人の町になっている。それで、この町の名はエドモンド達の父の名ヤコブにちなんでジクロン・ヤコブ(ヤコブの記念)と呼ばれるようになった。ユダヤ人であるエドモンドは、その妻と共に父祖の地であるイスラエルに葬られることを望み、ここに葬られた。
そして、その周囲が美しい公園となり、町の人々によって大切に管理されているのだ。この公園でキブツが準備してくれた昼食を摂り、その後高台に上って、そこからの風景を楽しんだ。正面の地中海はエメラルドグリーンで美しい。海岸の手前には沢山の養魚池が陽光を受けて銀色に輝いている。その後、私達は海岸まで下りて行き、そこで暫くの時間を過ごした。若者達は海に飛び込んで遊泳を楽しんでいたが、私は周囲の眺望を楽しんだ。
北と東はカルメルの山並み、南は美しい海岸線と、その彼方にはハデラの町の三本の煙突が見える。そこからの帰途、或るキブツに立ち寄り錦鯉の養殖槽とワニの養殖池を見学して午後五時過ぎにマアニットに戻り着いた。