独りヴォランティア(59)

 私達を車に乗せたヨハナンは、以前一度行ったキブツのバナナ畑で働いているアラブ人の家へ連れて行った。今回は収穫したバナナの一部を贈り物として持参したのだ。今日は紅茶のもてなしを受けた。丁度土釜でパンを焼くところであったので見学させてもらった。丸形で薄いピタというパンである。焼きたてのほかほかのピタをオリーブ油と香菜(乾燥して粉末にした緑色のもの)を混ぜたものに浸して食べさせて下さった。おつまみとしてカボチャの種も出された。

 これが今日午前の休憩で 11時半から昼までバナナの樹の切り倒し作業を再開した。昼食までに一列全部切り倒す事ができた。午後は昨日に続いてバナナの収穫に用いたトレーラーのクリーニングである。汚れや錆を落としてペンキを塗り直すのだ。その作業で出る塵埃は中途半端ではない。マスクは無いので鼻の中が真っ黒になってしまう。

 作業後、部屋に戻りャワーを浴びて鼻を洗浄するが、何度洗っても真っ黒い鼻汁が出てくる。口からも汚い唾が出て来るのには参ってしまう。まさに(俗に言う)3Kの作業である。