エルサレム独り旅(37)

 ボアスの野の畑の中に入って撮影することを拒まれた私は仕方なく道向いの雑貨店に入った。そこでりんごジュース缶とマンゴージュース(1000cc)を買って飲み、残りをペットボトルに移し店主と歓談した。彼が私の職業を聞いたのでキリスト教の牧師であることを告げた。

 すると彼は「クリスチャンはとても正直だ。あなたはその指導者だからもっと正直な人だよ」と言って感心する。この村にはアラブ人のクリスチャンが大勢住んでいるが、彼らが良い証を立てていることが判った。私は「あなたはクリスチャンか」と尋ねると「違うムスリムだ」と答えたので「どうして?」と尋ねると下を向いて困った表情をした。

 最後に彼は「ユダヤ人は欧州からどんどん移住して来てテルアビル、ロッド、ハイファを現状のようにしてしまったが、アラブ人こそがずっとここに住んでいて数も多かった。現状は良くない」と語った。これがアラブ人たちの標準的な見方であろう。

 その店を出て、来た道を戻ることにした。暫く歩くと路線バスが通りかかったので、それに乗り「エルサレム」と行き先を告げると中継所まで乗せてくれた(0.5 シェケル、15円)。そこでエルサレム行きに乗り替えてエルサレムに戻って行った(1.5 シェケル、45円!)