キブツ到着(12)

 このキャラバンと呼ばれる10棟の建物は、元はソ連(ロシア)からイスラエルに大量に移住したユダヤ人たちをこのキブツにも受け入れるために建てられたものである。しかし、それらの人々は、ここでの生活を嫌って全員出て行ってしまったので、今は外国からのヴォランティア用住居になっているのだ、とS師は私に教えて下さった。

 建物そのものは古くはないが、以前に入居していた人たちがかなり乱雑に使用したようで窓の網戸は破れ、カーテンもなく、床も汚れていた。ハエや蚊や虫が多くいるので、先ず網戸を応急修理し、カーテンの代わりに普通の布を押ピンで固定して吊した。

 更に床掃除をしベッドを整えてから、荷物の整理をしてようやく一段落つけることができた。そのベッドに横たわって1時間ほど休息をとってから、この日は日曜日なので、午後4時から主日礼拝である。

 外は雨で濡れているので、私たちの部屋で行うことに決めた。小さなテーブルを囲んで5人が椅子に腰を掛け賛美を歌い、感謝の祈りをささげた。メッセージは団長のS師である。