テル・ダンでは時間の関係などで公園内には入らず、金網の外から写真を撮ってから、すぐ東にあるバニアス国定公園に行った。入場料は一人11.5 シェケル(約400円)である。
公園入口から入るとすくに右側に発掘された建物の基礎部分を見ることができる。発掘された場所は極く狭い範囲であるが、昔ここには住居があったことが判る。現在はこの周囲には戸建ての住宅は見当たらない。
少し歩を進めると、そこには極めて美しい水場がある。乾期の後半で水が乏しいイスラエルでここだけは別天地である。水晶のように澄んで輝く透明な水が約 20mもの幅で東から西方向へと流れている。
この流れのすぐ東側は石垣の壁になっていて行き止まりであるが、その石垣の下からヘルモン山からの地下水が泉となって滾々(こんこん)と湧き出ているのである。妻がその石垣の下に下りて泉の湧き出し口を確かめた。
その泉は石垣のいたる所から湧き出ていた。その幅の広い流れは所々に堰(せき)が設けられていて極く低い(数10センチの)滝のようになって実に美しい。
京都の鴨川の流れにも似ている。そこには青々とした水草が生い茂り、生命の水を彷彿させる光景である。ここが新約のフィリポ・カイサリヤである(マタイ16:13)。