「ベテスダ」は新共同訳では「ベトザタ」と表記されている。ヘブライ語「ベイト・ハシダ(憐れみの家)に由来するがヨハネ福音書5章(1-9)に登場する。この池はヘロデ大王が造ったとされていて神殿詣での人々の沐浴や、犠牲の羊の洗い場に用いられていたらしい。
38年も病気で苦しんでいた人がここでキリストに癒された。5つの回廊があったと記述されている(5:2)が、発掘の結果5つの柱廊と2つの水槽が現れ、現在自由に見学することが出来る。石を積み上げて建造された柱や壁は地表から 10m以上も深い底まで達している。
この池を前にして妻の目は輝き始め、力に溢れて一人池の底まで下って行き、隅々まで歩いて建造物を見て回っている。ベタニアまで歩いて最もくたびれていた妻がまるで生き返ったかの様である。私はというと、底まで降りると、再び上がって来なければならない事を思うだけで足は動かなかった。
戻って来た妻が言うには「つい先ごろ、ベテスダの池のメッセージをした。この遺蹟はまさに聖書の記述の通りだった」と大いに感激していた。帰国後、入口で貰った英文の小さなリーフレットをパワーズ宣教師にお見せした時も、その文章にとても興味を示され、コピーを求められたことも印象に残っている。
この池の脇で横たわっていた人が癒されたように妻も別人のように元気にされ、この後の見学も活き活きと続行して行くのである。