ツアーの人々との団体生活(52)

 夕闇の中で私たちはハイファのバス停に着いた。誰もオフラさん宅を訪ねたことがないので公衆電話で乗車するバス番号と下車するバス停の名を尋ねる必要があった。

 Mさんがコインを入れてダイヤルを回してみるが、何度試みてもうまくつながらない。私たちは戸惑い途方にくれかけたが、市内電話だから市外局番は不要ではないか、と私が言い、そのようにして再度試みるとどうにかつながった。

 No.28のバスでハルシュメシュで下車したらよいとのことである。ハイファから幾つ目のバスストップと聞いていたのだが、案の定、乗り過ごしてしまった。イスラエルでは、バスも電車もアナウンスサービスが全くないので、初めて行く場所では、目指すバス停で降りるのは至難の業である。

 私はエルサレムでもカイザリヤでも乗り過ごしてしまった。運転手に大声で下車の場所を告げるのだが教えてくれない。その声を聞いていた乗客が教えてくれたので大事に至らなかったが・・・。

 私たちは下車し、暗闇の中を一駅徒歩で戻り、目指すバス停にたどり着くことが出来たのであった。そのバス停にはオフラさんが待っていてくれた。数分下って行った所にオフラさんの家があった。庭には花々が植えられ、割合と新しく清潔そうな家である。玄関口からすぐのダイニングに通されたが、もうすっかり夕食が整えられていた。