ツアーの人々との団体生活(70)

 私の心の中に激震が走った。イスラエル滞在中に受けた最大の衝撃の一つであった。主イエスが復活後、ガリラヤ湖畔で弟子たちにお会いになったヨハネ福音書21章の記事は、私の最愛読箇所の一つである。

 その現場とされる所が、現在もイスラエルに存在し、記念会堂まであるとは全く知らなかったので、一瞬唖然となり、次に驚嘆となり、続いて強い感動・感激が心に走ったのだ。歴史的な根拠、確証はないのであろうが、私の心は単純に喜びに舞い上ってしまった。

 私は岸辺に駆け寄り、しゃがみ込んで、記念品とするために、貝がらを捨い集めた。濃淡ある茶色の長さ1cmほどの小さな巻き貝がたくさんあった。会堂の中の奥の祭壇は自然のままの岩の向う側にある。この岩の上で復活の主が火を焚いておられたのだという(ヨハネ 21:9)。

 又、この場所は、主がペトロとアンデレたちを最初に召した場所でもあるとされている(マルコ 1:16~20)。この時のガリラヤ湖は水量が多く、会堂のすぐ横まで水が来ていた。会堂の湖側から、湖に下りる石段があるがその石段は中程から下が水面下で隠れていた。その石段の上に座って一人の旅行者らしい若い女性が全く身動きせず本(聖書?)を読み続けていたのが印象的であった。