「パンと魚の増加教会」と「ペトロ召命教会」のある場所は「タブハ」と呼ばれるが、これはギリシャ語の「へプタペゴン」がアラビア語訛りしたもので、「7つの泉」の意味という。
この辺りには7つの泉があるが、中には塩分を含んでいる泉もある。その泉の所へ行って水を舐めてみると塩気を感じた。ガリラヤ湖畔には他にも塩分を含む泉が幾つかあり、その水は、ガリラヤ湖には流さず、すべて直接死海に流れ込むようにしてあるのだそうだ。
それらの泉の中で最大のものはエン・ヌルで、私たちは車でその泉に向かった。タブハからティベリヤの方へ少し南下した所の道路脇に駐車しグレープフルーツ畑の中へ入って行った。既に収穫時期が終わっているのか、あちこちに黄色い玉が落下している。1個捨ってみるとどこも傷んでいないので、食してみると、水分が多く、とても美味しいものであった。
私たちは、その畑をつき抜けて湖畔の手前まで行くと円形の石囲いがあり、その形は日本の五右衛門風呂と同じで直径5m、高さも5mもある。梯子で上ると透明な水がたっぷり入っていた。この泉の水温は1年中 28℃で暖かく、早速二人の男性が衣服を着たままこの中に飛び込んで泳ぎ始めた。外国の若者たちは野性的で行動的だ。