ツアーの人々との団体生活(84)

 各々のキブツ連合体はイデオロギーを同じくするキブツが連合しており、その連合体によって支持する政党が異なっている。マアニットの属する団体は、日本の政党で言えば現在の社民党、旧社会党左派に近い非宗教的なグループだ。

 三大連合体の他にも中小の連合体があり、その中には宗教的(ユダヤ教を厳格に守る)なものもあり、それらのキブツは非ユダヤ人の労働者やヴォランティアは受け入れない。元々これらの連合は自衛のための組織で、キブツの農業、住宅、技術などの援助・指導などを行い、文化センターも持っている。マアニットの属する連合体は私たちが前々日に見学したギヴァット・ハビーバーがその文化センターなのだ。

 これらのキブツは、一般的には、ヨーロッパから移住してきたユダヤ人がアラブ人たちから奪い取ったかのように日本では思われているが、そうではない。その全ては、アラブ人地主から正当に買って得た土地で、その資金はフランスの銀行家ロスチャイルド(ロートシルト)の支援による。その購入価格は原野なのに当時のニューヨークの中心地の地価と同等の額を要求され、要求通りに支払ったという。