ツアーの人々との団体生活(100)

 アラブ人の老人とヨハナンが穏やかな口調で会話を交わしているが、何を話しているのか、その内容はさっぱりわからない。30分ほどお邪魔をしたがその間老人の奥さんがオレンジのドリンクとアラビアンコーヒーを出して、もてなして下さった。

 そのお宅をいとまごいしてからアラブ人の村の中を車で見て回った。ヘロデ王時代の遺蹟も残っている。水だめ用の井戸も2基あり、どちらも2千年以上も前のもので、40年前まで現役として利用されていたのだという。一基は空で、もう一基は満水状態で外まで水が溢れていた。どちらも中はゴミだらけである。

 現在はイスラエルが水道を設置したので、もう使用する必要がなくなったのである。パレスチナ人地区の電気、水道、ガスなどのライフラインの多くはイスラエル側から供給されている(ガザ地区も同様)。

 その井戸の側には、イスラムの名のある人の古い記念堂があり、棺が安置され祈り場となっていた。そこから少し行くとシャロンの野原。春菊、ひな菊など、黄色・ピンク色などの絨毯を敷き詰めたようだ。イスラエルでは春菊はあまりにもありふれた野草のため名前がないのだそうで、主イエスも春には、春菊をご覧になっていたのは間違いないという。