エルサレムへの旅(16)

 ゲッセマネの園はオリーブ山西の麓、そのすぐ下はキドロンの谷、ここで主イエスが逮捕された(マルコ 14:32、ルカ 22:39、ヨハネ 18:1)。

 北側の古い石壁の小さな門から中に入ると巨大なオリーブの古木が8本植えられた庭(園)である。その古木は樹齢2千年と言われ、幹は怪獣の下半身のようでグロテスクな形状である。これらは鉄柵で囲まれていて、見物人はその周囲を歩いて見て回るのである。

 柵の周囲にはバラの花が咲き乱れている。「ゲッセマネ」はヘブライ語で「油搾り」の意で収穫したオリーブの果を搾ってオリーブ油を作った場所である。この敷地の南には万国民の教会堂がある。4世紀の会堂跡に1919年に再建されたもので多くの国からの献金で建てられたので万国民の教会と呼ばれている。

 会堂内は真昼でもかなり暗く、祭壇の前に、主イエスが血の汗を流して祈ったという岩がある(ルカ 22:44)。それで別名「苦悶の教会」とも呼ばれている。とても大きな会堂だ。

 S師たちにとってはもう何度も訪れている場所なので短時間で見学を終え、タクシーで糞(ふん)門に向かった。この門は南側の城壁にある。南城壁には二つの門があるが、糞門は東の方(西側はヤッフォ門)である。