エルサレムへの旅(18)

 入場のための検問は、所持品は当然の事(バッグの中も)ボディチェックも入念に行われる。それを1m程の銃を肩に提げた若い兵士5〜6名が鋭い目つきで行っている。本物の銃をこんなに近くに見るのは初めての事だし、兵士達の表情が硬く険しいので検問されている間、私はかなりの緊張感を覚えた。

 壁の前の広場はかなり広い。昔は壁の前は細い通りになっていて、直ぐ傍まで家屋が建っていたのだが 1968年の6 日戦争でエルサレムの旧市街がユダヤ人の手に堕ちた後、それらの建物が取除かれて現在のようになった。

 ユダヤ人達にとっては、この場所が聖地なのである。壁から50m程の所に低い鉄柵が設けられ、壁の前まで同様の鉄柵で左右に区別されてある。左側が男性用の祈り場、右側は女性用である。その中に入るには男性は頭に何かを被らなければならない。野球帽でもカウボウイハットでもハンカチでもタオルでも何でもよい。宗教的なユダヤ人男性はキッパという布製で円形の被り物をしているが、この祈り場の入口には紙製の簡易キッパが用意されていて、誰でも自由に使えるように配慮されている。