エルサレムへの旅(35)

 死海写本館展示物の中で印象に残ったものは、クムランの洞窟から発見されたイザヤ書全巻の羊皮紙の巻物と詩篇第 151篇のコーデックス。共に BC2~3世紀のもので信じ難いほど貴重な資料だ。私たちの手元にある旧約聖書詩篇は 150篇までなので、どのような文章が書かれているのか興味は大いにあるのだが、悲しいかな私には全く歯が立たない。その他ナホム書注解などである。エンゲディから発見されたものではバル・コクバ手紙である。

 そこを出て隣接の土産店を見たが全体的に割高値なので何も買わずに出た。本館では先ず特別展示があり、「エルサレムでの生活の今と昔(1900年頃から)」を見て歩いた。そこから民族美術館、子供館、聖書・考古学館を観て回った。美術館では時間的余裕がないので絵画を中心に速足で見たが、モネ、マスネ、ルノワール、ゴッホなどの絵画が目線の高さでガードマンはいるが、ガラスや防護柵なしに展示されているのは驚かされた。直かに名画に接する事ができるのだ。子供たちがそのフロアで走り回っているのに。

 考古学館ではエジプト、シリア、アッシリア、イスラエルの BC4000〜AD400 年頃までの出土品が大量に展示されており、とても半日で見て回る事は出来ない。ここでは小さな女性像(アシュラ)と子牛の偶像の多さに旧約時代をリアルに見せ付けられる体験をした。