独りヴォランティア(12)

 丘の上から地中海方面に没してゆく夕日を見てから夕食のために食堂に戻るとクリスチャン(フランスのヴォランティア男性)が青い顔色をして弱々しく座っている。テープルには丼いっぱいのヨーグルトと飲み物だけを置いている。横のパット(南アフリカの女性)とニッキ(イギリスの女性)も風邪をひいて喉の痛みと鼻水を訴えていた。隣の青年もだ。

 ヴォランティアの間に風邪が流行している。彼らに私の手持ちの風邪薬を提供したが、私の分の残りが僅かになってしまった。私自身が風邪をひかないように、よく食べて特に野菜と乳製品(これらはキブツには豊富にあるので感謝)を摂取し、よく寝ておかなければならない。食後部屋で内村鑑三の『一日一生』を読んでから祈る。

 明日、西宮(夙川)から生駒(あすか野)に引越しする家族のために。3/28(月)5時起床、『一日一生』を読む。聖書箇所はイザヤ書43:18、19「先の事どもを思い出すな。昔の事どもを考えるな、見よ、私は新しい事をする。今、もうそれが起ころうとしている。…確かに私は荒野に道を、荒野に川を設ける」。

 家族があすか野に転居するこの日、神がお与え下さったみ言葉に、私は神の最善を身に感じた。今、日本はちょうど正午頃。荷物が着いて昼食を摂ろうとしているだろうか。改めて主の守りを求めて祈った。

 この日の夕食後、ゆったりくつろいでいると、ヴォランティアの仲間でバスケットボールをしないかと誘われたので付き合うことにした。