独りヴォランティア(25)

 東風による酷暑を避けて部屋の床にへばり着いていた大量の蝿は夕食後には、まるで嘘のようにその姿を消し去っていた。しかし未だ蚊、蜘蛛、その他いろいろな虫がいた。窓と戸口の網戸が大きく破れていたので、先ずそれらを応急的に修理して虫が入って来ないようにした。

 次にトイレの大掃除をしてから荷物を整備した。ベッド横の壁にはイスラエルの地図をを貼った。シャワーを浴びると既に夜の11時半。しかしこの部屋も電灯の熱でけっこう暑いが、キャビンのように人が動くと床が揺れることがないのでゆっくり眠れそうだ。この建物の戸口にはコンクリートの広いポーチがあり、大きな木々に囲まれている。玄関先には桑の木が屋根を覆い、私の背丈ほどのとうごまの木も生えている。

 4月21日(木)窓の外から聞こえる小鳥の鳴き声で目覚め 6時に起床。今日はヘレナたちと北ガリラヤへの旅行日だ。7時過ぎにヘレナのご主人アミーカムの運転する車で出発、途中へレナの従兄弟夫妻を乗せてメギド、アフラ、タボール山を経て、北に向かう。ガリラヤ湖北のコラジンのすぐ西を通過すると、両側には山と丘の連続である。ローシュピナで西に折れツァットの町に向かう。

 その途中バト・ヤアルという自然レジャー公園のような所で野外の木製テーブルを囲んで座り朝食を摂った。周囲は松の木の林、地面にはシクラメンが咲いていて、とても涼しい所であった。