アケルダマは ベン・ヒノムとキドロン両谷の合流地点の南西崖の上にあるのだが、ここに来るまでこの場所が現存するなど全く知らなかった。この地は現在考古学的にも同定されている。
使徒言行録でペトロが「主イエスを裏切ったユダが不正で得た報酬で取得した地で転落事故を起こして死んだことそこがアケルダマ」と語っている。(1:17~19)。マタイ福音書では別の報告を録している(27:3~10)が、どちらにしても12弟子のひとり、イスカリオテのユダと関わりのある場所だ。
「人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」(マルコ14:21)と主イエスに言われたユダと関わりのあるアケルダマがゲヘナの谷に隣接する場所にあることを知り、神の無言のメッセージを聞く思いがした。
この場所からキドロン川が地球上で最も低い湖、死海に直結する谷となっていることも意味深長である。その分岐点に立って、死海の方に下ってゆく道を眺めながら、死海まで歩いて行ってみたいという強い衝動に駆られたが、夕刻であったので理性が押し止めた。