エルサレム独り旅(30)

 園の墓のベンチにを下ろしてゆっくり休憩をとった。ここから 500mほど北にある「王家の墓」と呼ばれている場所へ行くことにした。ここはユダ王国時代の王たちが葬られている墓地と言われているからである。

 入口で入場料 3 シェケルを支払い左側の壁に添って歩いて行き左に曲がると両側が石壁に囲まれた広い通路に出た。地面は舗装されておらず所々に雑草が生えている。私の他には誰も客はいないようだ。

 道は少し下っていて、両側の石壁を見ながら歩いていると、右側の壁に四角い穴が開いているので近寄って中を覗いて見た。中は空洞で、どうやら古代の墓穴らしい。園の墓やキブツにある墓に比べるといかにも小さく、入口を閉じる丸石もない。

 その様な穴がそこに数基並んで掘られていたが、その内の二基の中には雨水が貯まっていた。数十mの道を下り切ると左側に広い敷地があり、その広場の西側に大きな門構えの石造物がある。

 二本の太い石柱に支えられた鴨居が上にあり、そこにはイスラエルの産物であるブドウやいちじくなどが彫られている。その下まで行くと右側には崩れた石造物が無雑作に置いてあり左側には墓の入口が開いている。