エルサレム独り旅(33)

 ベツレヘムの聖誕教会ではすでに聖日礼拝が行われていた。聖堂の一番奥の聖壇横まで進んで行った。聖壇とその上部には多くのろうそくが点灯され司祭たちが礼拝を進行していたが何をしているのかよく判らなかった。ギリシャ正教会の礼拝らしい。聖壇の右横にはろうそくを献納するスペースがあり礼拝出席者が次々とろうそくを点灯して、その場所に献納して席に向かってゆく。

 その左側の洞窟の中へ下りて行くと、そこは既に礼拝者たちでぎっしり詰まっていて奥までは入って行けない。ここは主イエスが聖誕された場所とされる洞窟で、そのスポットには大きな星形金属プレートが床に設置されている。

 この洞窟内もろうそくが多数点灯されていて極めて空気が濁っているが、礼拝者全員が起立して、古い聖歌を無伴奏で詠唱している。私は石段に腰を下ろして暫く聴いていたが延々と続き、いつ終わるともわからないし、又極めて空気が悪く室温も高いので礼拝の最後まで留まることができなかった。

 ここはアルメニア教会の礼拝所らしい。私は先に来た時に見たベツレヘムの野に向かって歩いて行くことにした。